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2014/06/06

堀内嘉子さん紀行文

どんよりした梅雨空が続く日々ではありますが、 何故か清々しい気分です。念願のお四国遍路の旅が無事満願できたという達成感によるものでしょうか?
随分以前から行ってみたいなアって思っていながら機会がなく、この度、青木住職からお話があった時、一念発起して参加させて頂くことにしました。手をあげたその時は、観光ツアーのお寺巡りのような軽い気持ちでした。
ところが、 そのうちいろいろな方々のお話を聞かせて頂き、 参拝グッズを取り揃えていく頃から徐々に身の引き締まる思いがしました。

 

(発心の道場)阿波国の旅。

第1番営山寺 教えて頂いた通り、山門で一礼、お浄め場で身を清め、お蝋燭、お線香を供え、納め札。そこで一同うち揃い、お勤めです。
この要領で本堂と大師堂を、 二か所お参りすることになります。昂初はなかなか要領を得ず、「同行二人」の御杖を忘れたり、お袈裟をつけたままお手洗いに行こうとしたり、失敗の連続でしたが、そのうち夢中でお参りしていました。
そんな様子ですので、 今振り返つてみましても、 なかなかすべてのお寺の名前も覚えて いないものですねェ。
なかでも参拝グッズでお世話になった第二番極楽寺様。 初日の宿坊でお世話になった第 六番安楽寺様。
夜のお勤めで幻想的な先祖供蓑をして頂いたこと。お天気に恵まれた第2 1番太龍寺の □ ープウェイから遠くの第20番の鶴林寺を望む素睛らしい眺め。などは印象に残っています。
それに阿波の旅では、時としてのんびりとした田園風昂の中を少し歩いたり、路傍でお弁当を食べたりと、至福の時を過ごすこともできよした。

 

(修行の道場)土佐国の旅。

修行の道場である土佐の旅は、険しい山々、雄々しい太平洋の広がり。水平線に沈み入る格別な夕日。等々変化に富む大自然。
正に修行の場にふさわしい印象でした。また高知県の広さを身をもって体験できました。
土佐の宿坊は、 第3 7番岩本寺様。11月21日日没が早く、 かなり暗くなっての到着となりました。早々に疲れを癒させて頂いて、早朝の勤行に参加させて頂きましたが、真っ白な霜の中冷たかったことを記憶しております。

 

(菩提の道場)伊豫国の旅。

菩提の道場である伊予の旅は、大阪から一番遠い宇和島から始まりました。
この頃からは巡礼の要領も心得て、慌てることもなく手順よくお参りできるようになりま した。
長い、なが一い階段の第4 5番岩屋寺様。宿坊でお世話になった広い境内の第5 8番仙遊寺様。住職自ら栽培された地産の食材によるお食事も忘れられませんが、朝の勤行後のご住職のお言葉「一日一生」を、いつも心に留めて日々過ごしています。
愛媛では美味しい海の幸をと期待して行きましたが、 期待どおりで大満足でした。

 

(涅槃の道場)混岐国の旅。

いよいよ涅槃の道場浪岐の旅。お四国遍路も最終編。案じていた天候もお大師さまのお加護のもと、ほとんど雨に降られることもなく、無事終えることができました。
足の運びも、お参りのはこびも以前にも増して軽やかになっていたように思います。
宿坊でお世話になった、お大師さまの生誕の地である第75番善通寺様では、朝の勤行のあと戒壇巡りをさせて頂き、お大師さまのお声を聞かせて頂くことができました。
第88番大窪寺様のお参りを終え、「皆さま、お四国巡拝満願です。おめでとうございます。ご苦労様でした。」と先達である青木住職から祝意と労いの言葉があったとき 、えも言えない感慨があり、参拝団全貝で吾び、讃え合いました。
今回は身も心も余裕ができたのか、有志で金毘羅様にお参りをしたり、最終宿泊地淡路島洲本では早朝1時間余りシーサイドウォーキングに出かけました。 朝から全身に太陽光を浴び最高の気分で、満願の御礼に高野山に向かいました。
最後に、素晴らしいこの度の同行の方々との得難い御緑に感謝しつつ機会があれば、今一度お参りできることを願いつつ・・・ 。

合掌